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化学メーカーと素材メーカーの違い

2020-10-18

某企業のCMで「素材メーカー」という分類をよく聞くようになってきました。似た分類に「化学メーカー」がありますが、何が違うのでしょうか。明確な定義があるわけではありませんが、曖昧で混同されがちな「素材」「化学」について僕が考える違いを紹介します。

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1. 化学メーカーとは

化学メーカーとは「化学反応」を含む生産プロセスで製造する会社を指しています。特に石油精製で得られる基礎化学品を出発原料とする材料を「化学」と呼ぶことが多いですね。

言われると思い出すのが「総合化学」「誘導品メーカー」「電子材料メーカー」という分類です。明確な定義があるわけではありません。

総合化学メーカーは、エチレンなど最も上流の基礎化学品から下流の各種製品まで製造している会社を指すことが多いです。誘導品メーカーでは、外部から購入した基礎化学品から化学反応を伴い誘導体を製造する企業を言います。電子材料メーカーでは、毀損原料や誘導品などを購入して混ぜ合わせて下流製品を製造するメーカーですね。

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2. 素材メーカーとは

素材メーカーとは、商品のもとになる「材料」を製造・供給している会社を指します。化学メーカーでは基礎化学品を出発原料として材料を製造しているのに対し、素材メーカーは出発原料が基礎化学品に限らない点が異なります。

上場企業の業種分類でいうと、繊維、パルプ・紙、化学、石油・石炭、ゴム、ガラス・土器、鉄鋼、非鉄金属、金属製品の9業種が「素材メーカー」と言えます。化学を含む材料一般という事ですね。本記事ではこの9業種を「素材」の分類とします。

素材メーカーの内訳を示す図。繊維、パルプ・紙、化学、石油・石炭、ゴム、ガラス・土器、鉄鋼、非鉄金属、金属製品の包含関係を示す。
素材メーカーの内訳

業種分類上は完全に分かれていますが、実際は各会社とも重なる領域もあります。有機材料と無機材料の重なりは少ないですが、有機材料と無機材料の中ではそれぞれ重なる領域も多いです。

3. 化学メーカーと素材メーカーの違い

3-1. 【違い①】時価総額

東証1部上場素材株(繊維、パルプ・紙、化学、石油・石炭、ゴム、ガラス・土器、鉄鋼、非鉄金属、金属製品)の時価総額(2020年)
2020年3月末時点の素材株時価総額

東証1部の素材メーカーの時価総額です。東証1部全体で530兆円に対して、製造業は275兆円、その中で素材メーカー9業種は61兆円です。

素材メーカーの時価総額61兆円のうち、化学メーカーで約6割強の39兆円を占めます。なので、素材メーカーの中で化学メーカーの存在感が大きいのは事実です。

2020年3月末時価総額ベースでは、製造業が東証1部全体に対して52%、素材メーカーは東証1部全体に対して12%となっています。こうしてみると素材はやはり地味ですね。

3-2. 【違い②】会社数

東証1部全体で2165社に対して、製造業は917社、素材メーカー9業種は348社あります。このうち4割強の146社が化学メーカーです。

時価総額では6割を占めているのに、会社数では4割しか占めていません。つまり化学メーカーは素材メーカーの中でも1社当たりのインパクトが大きいという事になります。

こうしてみると、化学メーカー以外の素材メーカーはちょっと地味な存在なのかもしれません。

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4.【まとめ】「化学」は「素材」の中で存在感のある業種

混同されやすい化学メーカーと素材メーカーですが、関係性をまとめます。

  • 化学メーカーは素材メーカーの一部。
  • 素材メーカーのうち、化学メーカーは時価総額ベースで6割、会社数べースで4割を占める。
  • 東証1部時価総額では素材メーカー9業種は時価総額の12%、化学メーカーに限定すると7%。

日本の産業の中では比較的地味な存在ですが、縁の下の力持ち的な立ち位置の産業ですね。地味ですが世界的には日本のプレゼンスが残っている希少な産業なので、盛り上がってほしいところですね。

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