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フローリングが冷たい4つの理由と解決策

冬場に辛いのが底冷え。部屋のフローリング、浴室の床などをスリッパなしで歩くと冷たいですよね。

最近は冷たく感じにくい床も増えてきました。冬場のフローリングが冷たく感じる理由なんて普段考えないですよね。今回は4つの理由とその対策について、メカニズムから解説します。

目次

0. 冬場の床は冷たい
1. 理由①:冷気は下に溜まりやすい
2. 理由②:足の温度>床の温度
3. 理由③:床と足の熱伝達率が高い
4. 理由④:床の熱伝導率が高い
5. 表面に凹凸があって発泡素材の床面は冷たくない
6. まとめ:床が冷たい4つの理由と解決策

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0. 冬場の床は冷たい

冬場に限らず床は冷たく感じますよね。フローリングも冷たいですし、浴室の床も冷たいですよね。逆にカーペットなどはフローリングほど冷たく感じないでしょう。

では、そもそもどうして床が冷たく感じるか考えてみたことはありますか?普通に暮らしてるとなかなか考えないですよね(笑)。フローリングが冷たく感じる理由は少なくとも4つあります。4つ以上思いついた方は優しくスルーしてください。

フローリングが冷たく感じる4つの理由とその対策について、素材エンジニア視点で少し踏み込んで真面目に考えてみました。

1.理由①:冷気は下に溜まりやすい

1つ目はそもそも冷気が下に溜まりやすいからです。言われてみれば当然ですが、もう少し原理的に踏み込んでみます。

1-1. 冷たい空気は重い

どこかで聞いたことありますね。はい、現代なら小学生でも知っていそうです。1662年にボイルさん、1787年にシャルルさんが見つけた法則から導かれます。

理系の人ならお馴染みの状態方程式で考えてみましょう。大気圧下で同じ重量の気体を考えてみます。この場合、気体の温度と体積は比例します。重量は同じなので、暖かい気体の方が軽く、冷たい気体の方が重くなりますね。

ボイル・シャルルの法則から導かれる気体の状態方程式。ここから同じ重量の空気の体積は気温に比例することがわかることを示した図。

1-2. 必ず冷たい空気は下側に溜まる

そうすると、暖かい気体が上側、冷たい気体が下側にある場合、冷たい気体は重いので下側に居座り続けることになります。

暖かくて軽い空気が上側、冷たく重い空気が下側に溜まっている様子を示した図。

逆に冷たい気体が上側、暖かい気体が下型にある場合を考えます。冷たい気体は重いので時間が経つと下側に移動し、逆に暖かい空気は上側に移動します。

暖かくて軽い空気を下側、冷たく重い空気を上側置いた時に、冷たくて重い空気が下へ異動する様子を示した図。

つまり冷たい空気が下に溜まるのを避けようと暖かい空気を下側に無理やり持って行っても、放っておくと冷たい空気が下側に移動してしまいます。これも部屋の床が冷たくなりやすい理由の一つですね。当たり前すぎてすみません。

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2. 理由②:足の温度>床の温度

フローリングが冷たい理由の2つ目は、床の温度の方が足の温度よりも低いからです。まぁそれも常識と言えば常識なんですが、もう少々お付き合いください。住宅施工のユニバーサルホームHPによると、冬場の床表面の温度は15℃程度だそう。

足から体温が奪われて床が暖められ、足が冷える様子。

体温は36℃くらいですから、床と足の温度差が20度もあるわけですね。温度の高い足から温度の低い床に熱が伝達されて床が温まった分足が冷えます。そりゃ冷たく感じるわけです。

この床面と体温の温度差の影響も大きいのですが、まだまだ理由はあります。

3. 理由③:フローリングと足の熱伝達率が高い

3つ目の理由はフローリング特有の事情です。熱は物体が接触しているところから伝達されるので、温度差の違う物体の接面が広いほど早く熱が移動します。フローリングは表面が滑らかで足との接触面積が大きいので、足が冷えて床が温まるという現象が起きやすくなります。

フローリングと足の接触面積が広く、熱伝達により足が冷える様子を示した図。

最近のフローリングは昔ほど表面がツルツルではなく、ちょっとザラついているものが増えてきました。表面がざらついていると足との接触面積が小さくなり、足から床への熱伝達が起こりにくくなります。最近の浴室の床などもそうですよね。

床面に凹凸があることで、足からフローリングへの熱伝達が小さくなり、足が冷えにくくなる様子を示した図。

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4. 理由④:床の熱伝導率が高く熱容量が大きい

4つ目の理由もフローリング特有ですが、熱伝導率(熱の伝わりやすさ)が高く熱容量(熱・冷気をどれだけ蓄えられるか)が大きいことです。前項のように足から床に熱が逃げたとしても、床が温まりやすく冷えにくければそれほど冷たくは感じません。

しかし現実には比較的すぐに冷えます。床そのものの熱容量が大きくて温まりにくい、もしくは床の中で熱伝導率が高く足で温められた熱が床の下へ早く逃げてしまうことが考えられます。バルコニーの床面がフローリングよりも冷たく感じるのはこれが理由ですね。

つまり冷えにくくするためには熱容量が小さく、熱伝導率の低い素材に変えればよいことになります。たとえば床材をフローリングから発泡材料に変えれば、熱容量を小さくできます。また空気が熱伝導を妨げるので、床材の熱伝導率も下げられます。

発泡素材の床に変えることで、体温で温められたフローリングの熱伝導が小さくなり、保温性が向上して足が冷えにくくなる様子を示した図。

ちなみに熱伝導・熱伝達という言葉をさりげなく使いました。よく混同されますが異なるものです。熱伝導は1つの物体の中での熱の移動、熱伝達は複数の物体間での熱の移動を表します。仕事で熱を議論することが多いので、誤用に対して敏感なのかもしれませんが。

5. 表面に凹凸があって発泡素材の床面は冷たくない

前置きが長くなってしまいすみません。フローリングの床が冷たく感じる4つの理由を紹介しましたが、多くの読者にとって本題は「どうすれば冷たく感じないのか?」のはず。ここまで掘り下げると答えは見えてきますよね。

前項での4つの理由それぞれについて、解決策を考えてみました。

原因①:冷気が下に溜まりやすい ⇒ 解決策①:温風で部屋の空気をかき混ぜる
原因②:足の温度>床の温度   ⇒ 解決策②:ホットカーペットを敷く
原因③:床と足の熱伝達率が高い ⇒ 解決策③:床面に凹凸をつけて床面と足の接触面積を減らす
原因④:床の熱伝導率が高い   ⇒ 解決策④:床材を発泡素材に変える

解決策①と②は当然ですよね(笑)。しかし電気を使わなくてもある程度の対策はできるものです。床の状態を変えるのが最も低コストでお手軽、しかも持続性があります。また水を使う浴室でも対策出来ます。浴室の床は冷たいですからね。

解決策③と④を組み合わせみましょう。床面に凹凸があって、床材が発泡素材であるものです。これなら原理的に足が冷えやすい要因を排除することができますね。最近の一戸建てやマンションのフローリングにはさりげなく採用されていたりします。

床面に凹凸があることで接触面積が減り、発泡素材を使用することで熱伝導が小さくなって保温性が上がり、足が冷えにくくなる様子を示した図。

浴室なら滑り止めマットも冷たさを軽減するのに効果的です。お風呂の床を改造するのは大変ですが、お風呂マットを敷くだけならお手軽簡単で費用対効果が高いです。

6. まとめ:フローリングが冷たい4つの理由と解決策

フローリングやお風呂の床が冷たく感じる4つの理由を真面目に考察してみました。冷たく感じる理由と解決策は次の通りです。

原因①:冷気が下に溜まりやすい ⇒ 解決策①:温風で部屋の空気をかき混ぜる
原因②:足の温度>床の温度   ⇒ 解決策②:ホットカーペットを敷く
原因③:床と足の熱伝達率が高い ⇒ 解決策③:床面に凹凸をつけて床面と足の接触面積を減らす
原因④:床の熱伝導率が高い   ⇒ 解決策④:床材を発泡素材に変える

実は最近引越してお風呂の床が冷たく感じるようになり、そのきっかけを真剣に考えた軌跡が本記事です。身近な現象でも原理をきちんと考えると、お手軽で良い選択肢が見えてくることもあります。たまには科学目線で身近な現象を考えてみると、思わぬ気づきが得られるかもしれません。

この記事はいかがでしたでしょうか。

  • この記事を書いた人

素材さん

東大卒を活かせてない経歴の社畜。工場勤務のヒントを綴ります。転職、結婚、資産形成、資格取得、仕事感。共通点ある方のヒントになれば幸いです。 転職1回目で僻地突入、転職2回目で僻地脱出。/30代前半/東大卒(学部・院)→中小→大手JTC→超大手JTC/素材開発エンジニア/既婚/3人兄弟の真ん中

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