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企業分析

【銘柄分析】丸善CHI-HD~優待券受領~

2017-10-03

丸善CHI-HD(東証, 3159)より株主優待券が到着しました。

株主優待の内容は?

今回到着したものは、7月末での権利獲得分になります。全国の丸善、ジュンク堂各店にて利用可能で、有効期限は2018年11月30日。100株保有で35600円、優待券は1000円分/年の支給なので、優待利回りは2.8%です。因みに何年も無配が続いています。

近所は田舎過ぎて使えませんが、東京出張のときに丸の内で使う機会がありそうです。

丸善CHIの事業内容

さて、丸善CHI-HD(東証, 3159)の銘柄分析です。
大日本印刷(東証, 7912)の連結子会社で、52.9%の株式を持っています。丸善やジュンク堂などでお馴染みの丸善CHI-HDですが、事業は主に、文教市場販売、店舗ネット販売、図書館サポートの3事業から成り立っています。店舗・ネットでの販売が売上の40%強を占めていて、次に文教市場販売が来ています。

文教市場販売というと分かりにくいですが、学術研究や教育向けの出版物や情報資料、図書館用書籍の販売、書誌データベースの作成・販売、教育・研究施設・図書館などの設計・施工、大学内売店の運営・教科書販売などがこの事業に相当します。売上の3番目は図書館サポート事業で、公共図書館や大学図書館の運営もやっているそうです。

しかし、営業利益構成をみると様子は激変します。

利益の65%は文教市場販売、21%が図書館サポート事業で稼いでいます。文教市場販売は2018年度決算で売上高2%増、営業利益20%増(いずれも2017年度比)となっていて、市場シェアキープと高コスト体質改善が進んでいるとみられます。図書館サポート事業も2018年度決算で売上高7%増、営業利益34%増(2017年度比)を伸ばしました。

お馴染みの書店・ネット販売事業で稼ぐキャッシュは2%にも満たず、2018年度には赤字転落となってしまいました。異常気象などによる売り上げ減と説明されていますが、実際にはamazonや楽天などのEC巨人がシェアを伸ばしていて相当苦戦しています。大型書店がなくなるのは書籍を探すときに困るので何とか収支トントンくらいまでは持って行ってほしいものですが、厳しい状況は続きそうですね。

丸善CHIの利益の源泉はどこにある?

文教市場販売で相当の利益を稼いでいますが、これらの利益の原資はどこなんでしょうか。企業は利潤を求めるものですが、この販売構成をみると大学教育を食い物にしているように見ることもできます。どれだけ社会に有益な影響があるのかは甚だ疑問ですが、大学進学率向上によって色んな利権が生まれているんでしょうね。

ただ一方でデータベース等アカデミックツール等、日本の学術振興になくてはならない役割を担っている企業であるとも言えます。専門的ツールで利用者が少ないこと、文献の蓄積や版権などの事情があり参入障壁が高く競合他社との競争が生まれにくいのでしょうか。十分な利幅が確保できるのでしょう。

僕にとってこうしたものの見方は株式投資をして始めて見えてくるものでした。普段よく利用してきた丸善や大学生協を運営する企業について何も知らなかったことを痛感させられ、投資は社会勉強のツールとしても有意義であると感じました。

丸善CHIの株価推移

株価は冴えない推移をしています。毎年7月に決算発表があり、その前後で出来高が急増しています。逆に言うと決算前後以外はほとんど取引がなく、流動性の低い銘柄と言えそうです。良くも悪くも乱高下せず安定した株価推移をしているので、優待目的であれば安心してホールドできるかもしれませんね。

丸善CHIの総括

この事業ポートフォリオを見る限り、書店販売が苦戦してもすぐに経営危機にはならなさそうですね。350円ちょっとで100株保有だと株価下落によるダメージも少なく優待利回りも2.8%とそこそこなので、個人的には継続保有でもよいかと思っていました。無配なのはちょっと辛いところですが、書店を利用される方は悪くない選択なのかもしれません。

個別株の銘柄分析と管理が大変だったこと、ポーフォリオの選択と集中を進める中で継続保有のメリットが小さいと判断し売却してしまいました。いい勉強をさせて頂きましたが、あんまり大量保有する銘柄でもないので再投資することはないと思います。ただ書店事業は何とか続いてほしいと陰ながら願っています。

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素材さん

東大卒を活かせてない経歴の社畜。工場勤務のヒントを綴ります。転職、結婚、資産形成、資格取得、仕事感。共通点ある方のヒントになれば幸いです。 転職1回目で僻地突入、転職2回目で僻地脱出。/30代前半/東大卒(学部・院)→中小→大手JTC→超大手JTC/素材開発エンジニア/既婚/3人兄弟の真ん中

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